過去に何回か行った事のある姉から、尾瀬の素晴らしさについては何度も聞かされていた。
夫の障害のことも承知している姉に、今度行ってくるねと報告した時、わずかな間が姉の不安を物語っていたのかもしれない。「もう、2度は行けない所だった」と帰宅して告げたら、「やっぱりね…」という反応が返ってきた。
後遺症で平衡感覚障害のある夫との旅では、事前の調べはかかせない。で、今回も入念に調べたが、尾瀬へ入る山道がどんなのかは分からないままだった。
が、多分、時間はかかっても夫と二人で行動できた、あの上高地のように考えていた…。甘かった!
水芭蕉の季節、山小屋で2泊してゆっくり尾瀬を楽しむつもりの余裕の行程だったはず…
ところが、ツァーの団体、校外学習の学生達の集団にせっつかれるように山道(それも土が流れ浮石のあったりするごつごつした石の階段状から始まり、幅50センチの木道がほとんど)を目指す尾瀬まで一気に下るなんて、どこにも書いてなかった。バランスが取れず、何時ふらつくか分からない夫と、何とか下り終えたのは出発から3時間!(普通には1時間弱のところ)
まさに、其処がなぜ『はるかな~』と唄われているのかを実感したのだった。こわかった…
次に考えたのは帰りのことだった。