いつか死ぬ、それまで生きる

 

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NHK「こころの時代~宗教・人生」の再放送録画で 

伊藤比呂美さんの『わたしの言葉で語るお経』を見た

ちょうどその後 図書館の新刊に 伊藤さんの本をみつけ、借りて読んだ 

f:id:santotoro:20220201130115p:plain 良いおっぱい悪いおっぱい』という本を書かれた人(読んでないけれど)だということしか 知らなかったのだが 詩人、小説家、エッセイ他 訳書も多く 特に この10年は 仏教関係の本(般若心経、法華経他多く) 現代語訳されている方だ

TVでは シャキシャキ言葉を選んで話されるので ちょっと近寄りがたい感じだったけど 本の中のエッセイを読むと 彼女の人生いろいろが ちょっと透けて見えて 強い言葉の端に 優しい人間味も見え隠れし 弱くて強い人のお一人なんだな、と 勝手に解釈しているわたし

 

この彼女のエネルギー、ほんますごい

お経が 『詩』になっている

 

日本古典文学(能、落語も)の多くは 仏教文学といえるのではないか?と 

書き手も読み手も お経の言葉と信心の上に成り立っていたはずだと彼女は言う 

今、『死』が見えにくくなっているという

宗教心を どこかに置き忘れてきた?・・・

 

伊藤さん自身は 宗教者ではないと言い切る

それでも 生きる上で 大きな力をもらっている、ようにおもえる

 

わたしも 信仰を持たない家で育った

妹が若くして死んで 母を看取り、父が突然死して 夫が事故にあった

Nsとして 多くの、三人称の死は 看ていたが 

死が 身近になって初めて 生きること、死ぬことについて書かれている本を それまで以上 読むようになった

よりよく生きるとか、よりよく死ぬとか、そういうことではないのだが

 

一人称、つまり自分の死を前にして思う

いつか死ぬ、それまで生きる

確かに、そのとおりだって

 

それにしても 伊藤さんの訳された仏教のことば、そのくりかえしにも 声にすることで また 違うパワーがある、らしい

🐢どんの前では 声を出して 般若心経も 恥ずかしくて言えなくて 

寝る前に 音なしで唱えている自分には まだまだ、とてもとても…である

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